ひきこもりのちーちゃん

主に読書感想文

【読書感想文】「星がひとつほしいとの祈り」 原田マハ

 「星がひとつほしいとの祈り」という短編集を読みました。

 

 いくつもの恋愛、友情、家族愛を読みやすく美しい文章とともに楽しむことができました。短編集だけあってあっさりとした読み味で、穏やかで有意義な時間を過ごすことができました。

 恋愛小説が読みたいけれど、濃厚なやつを読む体力はないかなあ、というときに、この本が枕元にあると嬉しい。そんな内容でした。

 

 一番、心に残ったのは、まさにタイトルになっている「星がひとつほしいとの祈り」という短編です。とても物哀しい展開ですが、重要なのはハッピーエンドかバッドエンドか、などという表面的なことではなく、そこに描かれた人間の情愛のほうなのです。

 

 それはそうと、「虚構の家(曽野綾子)」を読んでいるときも思ったのですが、昔の女性の上品な言葉遣いって好きなんですよね。平成生まれの女が今それを真似したら寒々しいでしょうが、その奥ゆかしい振る舞いにちょっと憧れます。

 内面も伴っていないと、あまり意味はないんでしょうけどね。