【読書感想文】「パンとバラ―ローザとジェイクの物語―」 キャサリン・パターソン
「パンとバラ」というパンを読みました。
この本は、1912年にマサチューセッツ州のローレンスで実際に起きた「パンと薔薇のストライキ」を、それに関わった子供の目線から物語にしたものです。
貧しいながらも家族に恵まれ、家族の中で唯一、学校に通っているローザと、ひどい家庭環境の中にいるジェイクが出会うところから物語ははじまります。
彼らはあまりに酷い環境で暮らしていました。働いても働いても、お腹がすくばかりで、まったくいいことはなく、街では暴力を伴うストライキが起こっている。子供である二人にとって、どこへ行っても恐ろしいことの連続でした。
作中のストライキは、子供たちの目から見ると、「よく分からないもの」として描かれています。それはジェイクを大人にしてくれる一大イベントであったり、ローザの大切な日常を奪っていく怖いものでした。
しかしこの物語は晴れやかなハッピーエンドを迎えます。
性根のひんまがった私でさえ、彼らの幸せを祈らずにはいらませんでした。読者みんなが願うであろう彼らの幸福は、無事にかなえられるのです。
長い雨のあと、空が急激に晴れて、眩しいくらいの光が差し込むような、素晴らしいエンディングでした。
余談
アマゾンのリンクとか貼りたいような気がしたんですけど、誰でも手軽にはっつけられるもんなんでしょうか? なんか申込みとか必要なんですかね? 別に、ただの読書感想文であって、紹介してやろう!と意気込んでるわけじゃないんですけど…。
あと、これ児童書のコーナーにあったんですけど、児童には難しすぎませんかね? それともこの発想は、児童をなめすぎでしょうか。みんな意外と頭良い? そりゃ私よりは良いでしょうけれども。ただ、児童書のコーナーにある本のなかではじめて「マルクス主義」の単語を見つけましたよ。