【読書感想文】「乙女の教室」 美輪明宏
さて、「乙女の教室」という美輪明宏さんの本を読みました。
私は乙女などというものからは程遠い、がさつな人間です。しかしこれまでの人生の中で自分とは異なる上品な女性とも出会ってきました。
彼女たちの気持ちが少しでも理解できるかと思って、読んでみようと思ったのです。 感銘を受けた言葉をここに書き残しておきます。
ネタバレには多少の配慮をしますが、多少なので、ご容赦ください。
私は、礼儀作法とは「自分が恥をかかないためにある」ものだと思っていました。
誰かに馬鹿にされないためだとか、見下されないためにある、威嚇行動だと思って生きていたのです。というのも、私が出会ってきた一見上品な女性たちは、たびたび私の言葉遣いや私の容姿を中傷してきたからです(読書感想文と言いながら私事で申し訳有りません)。
しかしどうでしょう。
この本には、礼儀作法とは「相手に恥をかかせないためにある」と書いてありました。
ことさらに表面上をきれいに取り繕ってみせるのは、かえって下品だとも言うのです。
真に上品な女性は、相手に恥をかかせるような言葉遣いや振る舞いを決してしないというのです。偽物の指輪だと見抜いたとしても褒め、相手がそうと知らずマナー違反をすれば、指摘などせず、むしろ一人だけ恥ずかしい思いをさせないように、自分も同じマナー違反を犯す。
教養とは見せつけるためにあるものではなく、魂の品位を守るためにあるというのです。それが乙女の所作。
この本に書かれていた「乙女の定義」は私を驚かせました。
乙女とは他人に守られてばかりいるお姫様のような女性を指すのではありません。その正体は、実に力強いものでした。
私自身はとてもそんな人間にはなれませんが、素敵な女性というものが一体なんなのか、ほんの少し分かった気がします。